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メジャーリーグ全30チームを網羅するように、メジャーリーグ移籍情報・順位予想・成績などをできるだけ公平な目線で書いています。

コロラド ロッキーズ 2020年レビュー

今回は、ナ・リーグ西地区4位のコロラド・ロッキーズです。

本拠地クアーズフィールドは、標高1マイル(約1,600メートル)の高地にあり、高地で空気抵抗が低いため、打球の飛距離が伸びると言われています。打者有利のヒッターズパークです。逆の見方をすれば、投手にとって不利な球場です。

  • 2020年順位表

今年のロッキーズは、 西地区最下位のアリゾナと1ゲーム差の4位です。失点の多さはナ・リーグのダントツ最下位です。得失点差もピッツバーグに次ぐ悪さです。それでも勝率.433と、何とか最下位にならず4位に踏みとどまりました。

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2020年 ナ・リーグ順位表
  • 野手成績

 チーム打撃成績を見ていきましょう。得点・長打率OPSが、ナ・リーグ15チーム中8位ですので、真ん中くらいに位置している感じです。打者有利の球場ですので、少し物足らない成績です。

打数 得点 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 出塁率 長打率 OPS
2057 275 528 63 264 42 .257 .311 .405 .716
- 8位 4位 11位 8位 3位 5位 14位 8位 8位

 個人打撃成績です。主なスターティングラインナップは以下の通りです。(名前の横に(2)と表記している選手は、シーズン途中に移籍した選手で、成績は1年間通算・2チーム合計の成績です)

打順 名前 守備位置 打率 打点 本塁打 OPS
1 タピア .321 17 1 .772
2 ストーリー 289 28 11 .874
3 アレナド .253 26 8 .738
4 ブラックモン .303 42 6 .804
5 ピラー(2) .288 26 6 .798
6 ケンプ .239 21 6 .745
7 マクマホン .215 26 9 .714
8 ハンプソン .234 11 5 .670
9 ウォルターズ .230 8 0 .550

打者有利のヒッターズパークが本拠地なので、打順で2,3,4番を打つ、主力のストーリ―、アレナド、ブラックモンの中で誰か1人はOPS.900を達成して欲しかったです。

 クアーズフィールドは、やはりヒッターズパークだなぁと思うのは、マット・ケンプの復活です。2019年は、シンシナティ本塁打1本、打率.200しか打てなかったのが、今年は規定打席には達しなかったものの、43試合出場し本塁打6本とまだまだ現役で行けるというところを見せてくれました。

 ケビン・ピラーも、シーズン途中でボストンから移籍し、移籍前と後では、打撃成績が格段に向上しました。ボストンのフェンウェイパークも左翼が狭くヒッターズパークですが、さらに打率・出塁率が上がりました。2019年までは打率.300に届くことはなく、出塁率がやっと.300を超えるレベルでしたのに、短い期間とは言えロッキーズ移籍後は打率.308を打ちました。これもやはりヒッターズパークだからでしょう。以下はピラーの2020年それぞれのチームでの成績です。

ボストン・レッドソックス:打率.274/出塁率.325/長打率.470

コロラド・ロッキーズ:打率.308/出塁率.351/長打率.451

  それとケビン・ピラーは、守備が抜群に上手いです。このチームの守備で忘れてはいけないのは、アレナドでしょう。8年連続ゴールドグラブ賞と4年連続プラチナグラブ賞は、これからしばらく誰にも抜けない偉大な記録となるでしょう。

 

  • 投手成績

 続いてチーム投手成績です。投手成績は防御率・失点・自責点・被打率がナ・リーグ最下位でWHIPも14位です。打者有利のヒッターズパークでプレーしている悪い面がでました。

防御率 完封 セーブ 失点 自責点 本塁打 与四球 奪三振 WHIP 被打率
5.59 1 16 353 327 83 205 393 1.49 .280
15位 13位 2位 15位 15位 13位 7位 15位 14位 15位

 個人投手成績も見ていきましょう。主な先発・救援投手は以下の通りです。(名前の横に(2)と表記している選手は、シーズン途中に移籍した選手で、成績は1年間通算・2チーム合計の成績です)

  名前 勝利数 先発試合数 イニング 防御率 WHIP
先発 センザテラ 5 12 73.1 3.44 1.21
マルケス 4 13 81.2 3.75 1.26
フリーランド 2 13 70.2 4.33 1.42
カステラ―二 1 9 43.1 5.82 1.45
グレイ 2 8 39 6.69 1.44
  名前 SV 登板試合数 イニング 防御率 WHIP
救援 アルモンテ 1 23 27.2 2.93 1.12
バード 6 24 24.2 3.65 1.3
エステベス 1 24 24 7.50 1.75
キンリー 0 23 23.2 5.32 1.06
ギブンズ(2) 1 22 22.1 3.63 1.16
ホフマン 1 20 21.1 9.28 1.92
ディアス 4 19 20 7.65 2.25

 先発の3人は安定しています。2017年から4年間センザテラ・マルケス・フリーランドの3人は、ローテーションを守っています。

 

 

 課題は、救援陣でしょう。防御率7点台や9点台の投手が20試合近く登板していて、代わりの投手がいないという印象を受けます。その中で、ダニエル・バードのカムバック賞は、唯一の光明です。ダニエル・バードは、2010・11年にボストン・レッドソックスで抑えのパぺルボンにつなぐ中継ぎとして大活躍していました。2013年以来メジャーリーグの登板が無かったのですが、7年ぶりに復帰し、24試合登板、6セーブ、防御率3.65の活躍です。未だ35歳ですから、ロッキーズでもう一花咲かせるのではないでしょうか。

  • まとめ

 優勝するためには、投手陣の整備ですね。救援陣は特に。ヒッターズパークのクアーズフィールドは、優秀な成績を残しているピッチャーからは敬遠されるでしょうから、FAでの獲得は難しいでしょう。生え抜きを育ててほしいです。

次は、ナ・リーグ西地区5位のアリゾナダイヤモンドバックスを見ていきます。