メジャーリーグ ファン ブログ

メジャーリーグ全30チームを網羅するように、メジャーリーグ移籍情報・順位予想・成績などをできるだけ公平な目線で書いています。

ニューヨーク メッツ 2020年レビュー

今回は、ナ・リーグ東地区4位のニューヨーク・メッツです。今シーズン終了後に、資産家のスティーブ・コーエンが米国スポーツ史上最高の24億ドルで球団を買収したというニュースがありました。

  • 2020年順位表

今年はナ・リーグ東地区4位で、プレーオフ進出を4年連続で逃しました。(黄色ハイライトは、プレーオフ進出チーム)

f:id:supertommy:20201124174537p:plain

2020年 ナ・リーグ順位表

昨年オフにベルトランがアストロズの”サイン盗み”問題で、一試合も指揮をとらず解雇されて、ルイス・ロハスを監督が急遽就任するなどのゴタゴタがあったので、この成績も致し方ありません。

  • 野手成績

チーム打撃成績を見ていきましょう。打率は1位、OPSは3位と攻撃力は高いです。しかし得点はナ・リーグ15チーム中7位と平凡な成績です。長打率も高く、出塁率も高いので個々の能力はあります。

打数 得点 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 出塁率 長打率 OPS
2023 286 551 86 278 20 .272 .348 .459 .807
- 7位 2位 5位 7位 11位 1位 2位 4位 3位

 主なスターティングラインナップは以下の通りです。

打順 名前 守備位置 打率 打点 本塁打 OPS
1 ニモ .280 18 8 .888
2 コンフォルト .322 31 9 .927
3 デービス .247 19 6 .761
4 スミス .316 42 10 .993
5 カノ .316 30 10 .896
6 アロンソ .231 35 16 .817
7 マクニール .311 23 4 .836
8 ラモス .239 15 5 .684
9 ロサリオ .252 15 4 .643

野手のスカウティングと育成が上手く、野手は生え抜き選手の活躍が目立つチームです。アロンソ、スミス、コンフォルト、ニモ、マクニール、ロサリオと、スタメンに6人も生え抜きの選手がいて全員20代です。後5年くらいはこのメンバーが活躍しそうです。カノが薬物違反で来年出場できませんが、その年俸分をより優れた野手のFA獲得に使えるので、怪我の功名かもしれません。

 特に今年はスミスの成長が大きかったです。ハンク・アーロン賞の候補に挙がるほど活躍しました。

スミスは一塁手なので、2019年ホームラン王のアロンソとポジションがかぶります。今年はDH制が導入されていたので、DH、一塁、左翼と出場しやすかったですが、来年DH制が継続されないなら、外野の守備力を高める必要があります。

  • 投手成績

投手成績は防御率・失点・自責点・WHIPがナ・リーグで10~13位と下位に位置しました。2015年にリーグ優勝した時は、デグロム、シンダーガード、コロン、ハービー、マッツと先発が安定していて投手力のチームという印象でしたが、5年も経つと隔世の感があります。この5人のうち今年活躍したのはデグロム1人です。

防御率 完封 セーブ 失点 自責点 本塁打 与四球 奪三振 WHIP 被打率
4.98 1 11 308 284 81 219 574 1.42 0.255
12位 13位 12位 13位 12位 11位 11位 3位 10位 11位

個人投手成績も見ていきましょう。主な先発・救援投手は以下の通りです。(名前の横に(2)と表記している選手は、シーズン途中に移籍した選手で、成績は1年間通算・2チーム合計の成績です)

  名前 勝利数 先発試合数 イニング 防御率 WHIP
先発 デグロム 4 12 68 2.38 0.96
ポーセロ 1 12 59 5.64 1.51
ピーターソン 6 9 49.2 3.44 1.21
ルーゴ 3 7 36.2 5.15 1.36
ワカ 1 7 34 6.62 1.56
マッツ 0 6 30.2 9.68 1.7
  名前 セーブ 登板試合数 イニング 防御率 WHIP
救援 ファミリア 0 25 26.2 3.71 1.46
ディアス 6 26 25.2 1.75 1.25
シュリーブ 0 17 25 3.96 1.16
カストロ(2) 1 26 24.2 4.01 1.77
ヒューズ 0 18 22.1 4.84 1.66
ウィルソン 0 23 19.2 3.66 1.37

 先発のデグロムは3年連続サイ・ヤング賞という大記録は逃しましたが、ピッチングは圧倒的でした。ただやはり12試合先発して4勝と、なぜか勝ち運がありません。

ピーターソンが防御率が3.44、6勝とチームの勝ち頭に成長しました。あと数試合先発する機会があれば、新人王候補に選ばれても良いような活躍でした。

一方、FAで獲得しポーセロとワカは期待外れでした。

来期に向けては、コロナ禍で出場を辞退したストローマンがクオリファイング・オファーを受諾し、2021年の残留が確定しましたので先発が1人増えます。

また今年活躍できなかったマッツが復活し、シンダーガードがトミー・ジョン手術から復帰すると、先発投手陣は安定します。

救援陣では、ディアスが2019年の絶不調から立ち直りました。緊迫した試合でも、きちんと抑えの役割を果たしました。

  • まとめ

今オフに、資産家のスティーブ・コーエンがメッツ球団を買収しました。彼は幼少期からメッツファンで、チーム強化のために大金を注ぎ込むと予想されています。20代の生え抜き野手6人とデグロムという大エースに、FAで優秀な選手が加わわれば、優勝が狙える位置に躍進しても不思議はありません。

次は、ナ・リーグ東地区5位のワシントン・ナショナルズです。