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メジャーリーグ全30チームを網羅するように、メジャーリーグ移籍情報・順位予想・成績などをできるだけ公平な目線で書いています。

ボルチモア オリオールズ 2020年レビュー

今回は、ア・リーグ東地区4位のボルチモア・オリオールズです。オリオールズというと、プロ野球世界記録である、連続試合出場2632試合のカル・リプケンJRが頭に浮かんできます。メジャーリーグで、日本のプロ野球の鉄人・衣笠祥雄を超える記録ですから、その記録は相当偉大なものだと思います。

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  • 2020年順位表

今年はア・リーグ東地区4位です。(黄色ハイライトは、プレーオフ進出チーム)

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2020年 ア・リーグ順位表

2017年から2019年まで3年連続で地区最下位で、特に目立った補強もなく、今年も最下位確定かと予想されましたが、1ゲーム差でボストン・レッドソックスを上回り4位という結果でした。しかし再建期にあることに変わりありません。再建期で戦力が低迷している上に、2020年3月のキャンプ中に、主砲のマンシーニが大腸がんの手術を受けていたことが発表され、戦線離脱することがわかりました。手術も治療も無事終わったことは何よりです。来年の復帰が待たれます。

チームの低迷を象徴するのは、クリス・デービスと2016年に球団史上最高額となる7年1億6100万ドルの契約を結んだことでしょう。この契約後に成績はドンドン下降し、2018年以降は打率が2割に届かないし、ホームランも20本以下と散々な成績です。2020年のスプリングトレーニングで、4割を打ったので、やっと復活かと思いましたが、レギュラーシーズンでは全く打てず、今年はとうとうホームランも0本です。あと2年も契約が残っているのですね。

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  • 野手成績

チーム打撃成績を見ていきましょう。得点・長打率OPSが、ア・リーグ15チーム中6~8位と打撃は中位に位置する成績を上げました。しかし東地区はヤンキースブルージェイズレッドソックスなど打撃の良いチームが多く、ア・リーグ東地区では得点が一番少ないチームとなってしまいました。

打数 得点 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 出塁率 長打率 OPS
2026 274 523 77 264 19 .258 .321 .429 .750
- 8位 3位 8位 8位 13位 3位 8位 6位 7位

主なスターティングラインナップは以下の通りです。

打順 名前 守備位置 打率 打点 本塁打 OPS
1 アルベルト .283 22 3 .698
2 サンタンダー .261 32 11 .890
3 イグレシアス .373 24 3 .956
4 ヌネス .256 31 12 .816
5 セベリーノ .250 21 5 .710
6 マウントキャッスル .333 23 5 .878
7 ルイーズ .222 32 9 .713
8 バライカ .277 16 8 .791
9 マリンズ .271 12 3 .723

イグレシアスが、規定打席数に届きませんでしたが、打率.373、OPS.956と今年は素晴らしい成績でした。デトロイト・タイガース時代は守備の人というイメージでしたが、打撃も開眼したようです。残念ながら、シーズン終了後トレードでロサンゼルス・エンゼルスに移籍してしまいました。

2015年ドラフト1巡目指名、生え抜きの23歳マウントキャッスルが、規定打席数に未達ながら3割を打ちました。こういう若手の台頭は楽しみです。

サンタンダーとヌネスは長打力を発揮しました。2人ともベネズエラ出身の26歳。チームを引っ張っていくのかなぁと思ったのですが、シーズン終了後にヌネスは自由契約になってしまいました。

 上記のように退団してしまう選手もいますが、マンシーニが復帰したら、面白そうな打線になりそうです。

  • 投手成績

投手成績は、防御率・失点・WHIP・被打率がア・リーグで7~11位と下位に位置しています。個人投手成績も見ていきましょう。  

防御率 完封 セーブ 失点 自責点 本塁打 与四球 奪三振 WHIP 被打率
4.51 1 11 294 260 79 192 487 1.31 0.246
9位 11位 13位 9位 9位 8位 6位 13位 7位 11位

主な先発・救援投手は以下の通りです。(名前の横に(2)と表記している選手は、シーズン途中に移籍した選手で、成績は1年間通算・2チーム合計の成績です) 

  名前 勝利数 先発試合数 イニング 防御率 WHIP
先発 カッブ 2 10 52.1 4.30 1.34
ミーンズ 2 10 43.2 4.53 0.98
ロペス(2) 2 6 39.0 6.69 1.49
ウォジェハウスキー 1 7 37.0 6.81 1.62
エイキン 1 6 25.2 4.56 1.44
ルブラン 1 6 22.1 8.06 1.57
  名前 セーブ 登板試合数 イニング 防御率 WHIP
救援 エシェルマン 0 12 34.2 3.89 1.24
レイキンス 1 22 25.2 2.81 1.48
サルサ 5 19 22.2 5.56 1.50
フライ 0 22 22.0 2.45 1.41
スコット 1 25 20.2 1.31 1.06
テイト 0 12 16.2 3.24 0.84
アームストロング 0 14 15.0 1.80 0.80

規定投球回数に達した投手は1人もいません。安定した先発がカッブとミーンズの2人だけでは、先発投手の数が足りません。ただ、ミーンズは昨年から先発に定着し、今年はWHIP0.98と先発投手で1を下回っているので、かなり優秀な成績です。四球が少なくコントロールがいいことが特徴です。

 救援陣は、チームが弱いので目立ちませんが、期待以上の結果だったと思います。投球回数が少ないものの、フライ、スコット、テイト、アームストロングの4人は、昨年より成績が向上しました。

  • まとめ

チームは長いこと低迷していますが、先発投手が揃うと、わりと強いチームになりそうな気がします。次は、ア・リーグ東地区5位のボストン・レッドソックスです。