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メジャーリーグ全30チームを網羅するように、メジャーリーグ移籍情報・順位予想・成績などをできるだけ公平な目線で書いています。

ミネソタ ツインズ 2020年レビュー

今回は、ア・リーグ中地区1位のミネソタ・ツインズです。2020年は前田健太投手が活躍したのでTV観戦した人も多かったのではないでしょうか。

  • 2020年順位表

2年連続ア・リーグ中地区優勝です。(黄色ハイライトは、プレーオフ進出チーム)

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2020年 ア・リーグ順位表

 2019年に続き2年連続地区優勝をしたのですが、ポストシーズンは全然勝てません。2004年の地区シリーズ第1戦の対ヤンキース戦で勝利した後、18連敗中です。これは北米4代スポーツのポストシーズン連敗のワースト記録です。勝ち上がれないだけでなく、2004年以降6回もポストシーズンに駒を進めながら1勝もできないのです。今年は対戦相手が、シーズン負け越ししながらもポストシーズンワイルドカードで進出したアストロズで、しかも試合は本拠地ターゲットフィールドで行われますから、勝てる可能性が高いと思ったのですが、あっさり2連敗してしまいました。選手も監督も連敗記録脱出がプレッシャーになっているのかもしれません。

  • 野手成績

チーム打撃成績を見ていきましょう。指名打者のクルーズなど長打力のある選手が揃っていて本塁打は3位でしたが、打線のつながりが悪く、得点・打率・OPSが、ナ・リーグ15チーム中8~10位と打撃はあまり振るいませんでした。

打数 得点 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 出塁率 長打率 OPS
1937 269 468 91 258 14 .242 .315 .427 .743
- 10位 10位 3位 10位 15位 9位 10位 7位 8位

主なスターティングラインナップは以下の通りです。

打順 名前 守備位置 打率 打点 本塁打 OPS
1 ケプラー .228 23 9 .760
2 アラエス .321 13 0 .765
3 ロサリオ .257 42 13 .792
4 クルーズ .303 33 16 .992
5 バクストン .254 27 13 .844
6 サノ .204 25 13 .756
7 ポランコ .258 19 4 .658
8 ガーバー .167 5 2 .511
9 ゴンザレス .211 22 5 .606

中心打者はネルソン・クルーズです。指名打者とはいえ40歳で2年連続でシルバースラッガー賞を獲得する活躍は凄いです。シーズン終了後FAになったので、来年はどこのチームでプレーするのか楽しみです。

守備の人だと思っていたバクストンが、本塁打13本、OPS.844と今年は予想外に長打力を発揮しました。但し安打33本、三振36個、四球が2個、出塁率.267という粗い打撃は改善の余地ありです。

ロサリオとサノも13本ホームランを打ちました。

期待している若手選手は、二塁手のアラエス(23歳)です。昨年も規定打席不足ながら3割を超え、今年も3割を上回っていて確実な打撃をします。長打力が多いが、確実性に欠ける打者の多い、このチームに欠かせない選手だと思います。

おまけで、見た目がユニークな選手。ベネズエラ出身の29歳、アストゥディーヨ。ポジションは、もちろんキャッチャーです。

  • 投手成績

投手成績は防御率・失点・WHIP・被打率がア・リーグで2~3位という優秀な成績でした。

防御率 完封 セーブ 失点 自責点 本塁打 与四球 奪三振 WHIP 被打率
3.58 4 17 215 204 62 170 535 1.20 0.232
3位 4位 4位 2位 2位 1位 5位 4位 2位 3位

個人投手成績も見ていきましょう。主な先発・救援投手は以下の通りです。

  名前 勝利数 先発試合数 イニング 防御率 WHIP
先発 前田 6 11 66.2 2.7 0.75
べリオス 5 12 63 4 1.32
ドブナック 6 10 46.2 4.05 1.35
ヒル 2 8 38.2 3.03 1.16
ピネダ 2 5 26.2 3.38 1.2
  名前 セーブ 登板試合数 イニング 防御率 WHIP
救援 クリッパード 0 26 26 2.77 0.88
ウィスラー 1 18 25.1 1.07 1.14
アルカラ 0 16 24 2.63 1.21
ダフィー 0 22 24 1.88 0.79
メイ 2 24 23.1 3.86 1.16
ロジャース 9 21 20 4.05 1.5
シールバー 0 17 20 2.25 1.15
ロモ 5 24 20 4.05 1.15

先発は、前田、べリオス、ドブナックの3本柱が安定していて、それに続くヒル、ピネダも防御率3点台、WHIPも1.20以下と申し分のない成績でした。特に前田はサイヤング賞の最終候補に選ばれるほどの活躍で、前田の移籍は本人にとってもチームにとってもプラスでした。ドジャースにいた頃より気合が入っているように見受けられ、雄叫びを上げるシーンを良く目にしました。

救援陣も、上記の表に記載した全員が役割を果たしました。敢えて言うなら、ロジャースが前年のような投球ではなかったため、抑えに固定させることができず、ロモがセーブを挙げる試合もありました。

 救援投手陣の中で私が一番気になる選手は、タイラー・クリッパード(35歳)です。今年は短縮シーズンのため26イニングだけの登板でしたが、2009年から2019年まで、複数の球団を渡り歩き、抑え・中継ぎとして11年連続で60イニング以上を投げ、その間防御率が4点を上回ったのは2017年だけで、その年はWHIPも1.29と、その11年間の間で最も悪い成績でした。ただ2017年はシーズン中に移籍し3球団にも在籍した年なので、仕方がないかもしれません。その後成績は向上し、2019・20年は2年連続でWHIP1.00を下回っています。これだけ長い期間ケガもせず、大きな不振にも陥らずに投げ続けているのは素晴らしいです。中継ぎでは表彰される機会が少ないのが残念ですが、来年も優勝争いをするチームに入って活躍して欲しいです。

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  • まとめ

課題は野手です。FAで本塁打チーム1,2位のクルーズ、ロサリオが抜けてしまいます。その穴をどう埋めるかが重要です。来年は3年連続地区優勝、ポストシーズンの勝利を達成して欲しいですね。

次は、ア・リーグ中地区2位のクリーブランド・インディアンズです。