メジャーリーグ ファン ブログ

メジャーリーグ全30チームを網羅するように、メジャーリーグ移籍情報・順位予想・成績などをできるだけ公平な目線で書いています。

シカゴ ホワイトソックス 2020年レビュー

今回はア・リーグ中地区3位のシカゴ・ホワイトソックスです。コロナ禍がなければ、映画「フィールド・オブ・ドリームス」のロケ地で、ホワイトソックス主催のMLB公式戦が行われるはずでしたが中止となりました。あらためて2021年8月12日に対ニューヨーク・ヤンキース戦が組まれました。来年コロナ禍が収束して、開催されることを期待します。

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  • 2020年順位表

今年はア・リーグ中地区3位です。今年はポストシーズンに8チームが進出できる特別ルールでしたので、ワイルドカードで進出できました。(黄色ハイライトは、プレーオフ進出チーム)

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2020年 ア・リーグ順位表

2008年に地区優勝をしてから、ポストシーズンに進出していませんでしたので、今年は久々の進出でした。野手は若手が成長し、ベテランも健在で、投手の補強も上手くいっているように見えたので、シーズン開幕前の自分の予想ではホワイトソックスが優勝候補だと思っていました。得失点差60点は、リーグ優勝のタンパベイ・レイズと一緒で、実力は発揮できましたが、勝利数では、得失点差の少ないツインズ・インディアンスの後塵を拝す結果となってしまいました。

  • 野手成績

チーム打撃成績を見ていきましょう。得点・本塁打・打率・長打率OPSが、ア・リーグ15チーム中1~2位と打撃は素晴らしい成績を上げました。特に今年は対戦相手がナ・リーグア・リーグの中地区に限られ、中地区はどのチームも投手力が高いチームばかりで、中地区のほとんどのチームの打撃成績はあまり良くないのですが、ホワイトソックスは、その不利な条件下で素晴らしい成績を残しました。

打数 得点 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 出塁率 長打率 OPS
2047 306 534 96 294 20 .261 .326 .453 .779
- 2位 2位 1位 2位 12位 2位 5位 1位 2位

主なスターティングラインナップは以下の通りです。

打順 名前 守備位置 打率 打点 本塁打 OPS
1 アンダーソン .322 21 10 .886
2 グランダル .230 27 8 .773
3 アブレイユ .317 60 19 .987
4 ヒメネス .296 41 14 .890
5 エンカーナシオン .157 19 10 .627
6 モンカダ .225 24 6 .705
7 ロバート .233 31 11 .738
8 マザラ .228 15 1 .589
9 メンディック .243 6 3 .664

印象に残っているのは、8月16日の4打者連続ホームランです。日本でも阪神タイガースのバース・掛布・岡田の3打者連続ホームランが語り継がれていますが、それを超えるモンカダ・グランダル・アブレイユヒメネス4打者連続ホームランです。

このチームの中心打者は、MVPを受賞した、ベテランのアブレイユです。

キューバ出身で、27歳の時にホワイトソックスでデビューと、メジャーリーガーとしてのスタートは遅かったですが、毎年安定した成績を残していました。キューバ出身プレーヤーとしては3人目のMVP受賞者です。MVP受賞の報を受け、涙を流していたのが印象的です。 

2019年の首位打者アンダーソンが今年も打率3割を超え、昨年の成績がフロックではないことを証明しました。今年はシルバースラッガー賞を受賞しました。

さらにモンカダ、ヒメネス、ロバートという20代半ばの若手が期待通りに成長しています。ヒメネスシルバースラッガー賞を受賞しました。アブレイユ・アンダーソン・ヒメネスと3人もシルバースラッガー賞受賞者がいます。

 守備では、ロバートがゴールドグラブ賞を受賞しました。新人王も期待されましたが、マリナーズのルイスに打撃成績が及ばす、新人王は惜しくも逃しました。

 打線は非の打ち所がありません。

  • 投手成績

投手成績は防御率・失点・WHIPがア・リーグで5~6位と上位の成績です。

防御率 完封 セーブ 失点 自責点 本塁打 与四球 奪三振 WHIP 被打率
3.81 6 13 246 223 71 217 523 1.26 0.226
5位 2位 11位 5位 5位 6位 10位 7位 6位 2位

個人投手成績も見ていきましょう。主な先発・救援投手は以下の通りです。

  名前 勝利数 先発試合数 イニング 防御率 WHIP
先発 ジオリト 4 12 72.1 3.48 1.04
カイケル 6 11 63.1 1.99 1.09
シーズ 5 12 58.1 4.01 1.44
ダニング 2 7 34 3.97 1.12
ロペス 1 8 26.1 6.49 1.63
  名前 セーブ 登板試合数 イニング 防御率 WHIP
救援 G.ゴンザレス 0 12 31.2 4.83 1.86
フォスター 0 23 28.2 2.2 0.87
コルデロ 0 30 26.2 6.08 1.58
ホイヤー 1 21 23.2 1.52 0.89
マーシャル 0 23 22.2 2.38 1.06
コロメ 12 21 22.1 0.81 0.94
シシェック 0 22 20 5.4 1.5
デトワイラー 0 16 19.2 3.2 1.22
フライ 0 18 19.2 3.66 1.42

先発の、ジオリト、カイケルは、WHIPがそれぞれ1.04,1.09と、どちらもエースといえる働きでした。今年ジオリトは、ノーヒットノーランを達成しました。

ジオリト、カイケルに加えて、2021年はレンジャーズからリンが移籍するので、強力な先発投手陣になりそうです。

救援陣では抑えのコロメが、防御率0.81、WHIP0.94、2勝、12セーブと、素晴らしい活躍でした。残念ながら、最多セーブや Reliever of the Yearには選ばれませんでした。シーズン終了後コロメはFAとなりました。 

来年期待したいのは、21歳のクロシェです。今年は9月中旬にメジャーリーグに昇格し、6イニングしか投げていませんが、速球のスピードが桁違いです。101マイルを何球も投げます。

  • まとめ

選手は揃ったので、後はマネージメントです。そこに、アスレチックス・カージナルスワールドシリーズ制覇を成し遂げた名将トニー・ラルーサが、2021年から監督として就任することが決まりました。これは期待が大きいです。ただ気になるのは、76歳と高齢なことです。

次は、ア・リーグ中地区4位のカンザスシティ・ロイヤルズです。