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メジャーリーグ全30チームを網羅するように、メジャーリーグ移籍情報・順位予想・成績などをできるだけ公平な目線で書いています。

ヒューストン アストロズ 2020年レビュー

今回は、ア・リーグ西地区2位のヒューストン・アストロズです。

アストロズは、昔のユニフォームが好きです。色使いが東京にいた頃の日本ハムファイターズに似ています。今でも当時のユニフォームのレプリカやTシャツを着ているファンは多いです。

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  • 2020年順位表

今年はア・リーグ西地区2位で、負け越しながらポストシーズンに進出し、あわやリーグ優勝、ワールドシリーズ進出というところまで勝ち進みました。(黄色ハイライトは、プレーオフ進出チーム)

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2020年 ア・リーグ順位表

今年は名将ダスティ・ベイカー監督が就任し、チームをポストシーズン進出に導きました。ジャイアンツ・カブス・レッズ・ナショナルズアストロズで監督をし、全てのチームをポストシーズンに導きました。異なる5球団をポストシーズンに進出させた監督は、史上初だそうです。

  • 野手成績

チーム打撃成績を見ていきましょう。得点・長打率OPSが、ア・リーグ15チーム中7~9位と打撃は可もなく不可もなくというレベルの成績でした。

打数 得点 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 出塁率 長打率 OPS
1992 279 478 69 268 22 .240 .312 .408 .720
- 7位 7位 10位 7位 10位 10位 11位 9位 9位

主なスターティングラインナップは以下の通りです。

打順 名前 守備位置 打率 打点 本塁打 OPS
1 スプリンガ― .265 32 14 .899
2 アルトゥーベ .219 18 5 .630
3 ブラントリー .300 22 5 .840
4 ブレグマン .242 22 6 .801
5 タッカー .268 42 9 .836
6 グリエル .232 22 6 .658
7 コレア .264 25 5 .709
8 レディック .245 23 4 .693
9 マルドナード .215 24 6 .728

主力選手が以前よりかなり成績を落としています。

ブレグマン:   OPS .827(2017) → .926(18)→ 1.015(19) → .801(20)

コレア:  OPS .941(2017) → .728(18)→ .926(19) → .709(20)

アルトゥーベ:  OPS .957(2017) → .837(18)→ .903(19) → .629(20)

グリエル: OPS .817(2017) → .751(18)→ .884(19) → .658(20)

2017年~18年にサイン盗みが行われていたと言われています。その時と比較すると、各選手が軒並みOPSを落としています。長打力のある強力打線ではなくなり、チーム全体としてのOPSも下がっています。

チームOPS .823(1位)(2017) → .754(5位)(2018)→ .884(1位)(2019) → .658(9位)(2020)

(カッコ内の順位はア・リーグ15チーム中の順位です)

その中でもスプリンガ―は成績を保っています。

スプリンガ―: OPS .889(2017) → .780(18)→ .974(19) → .899(20)

スプリンガ―以外で活躍したのは、2019年にクリーブランド・インディアンスから移籍してきたブラントリーです。サイン盗みの期間にアストロズにいなかったので、打撃成績を落とさず今年も打率.300を打っています。

残念ながら今年は2人ともシルバースラッガー賞や、All-MLBの1st Teamにも2nd Teamにも選出されませんでした。また、両者はFAなので、来年アストロズにはいない可能性が高いです。

守備面では、捕手のマルドナード一塁手のグリエル、二塁手のアルトゥーベ、三塁手のブレグマン、遊撃手のコレア、レフトのタッカー、センターのスプリンガ―、ライトのレディックと、名手ぞろいですが、残念ながら今年は誰もゴールドグラブ賞は受賞できませんでした。

  • 投手成績

投手成績は防御率・失点・WHIPがア・リーグ15チーム中7~8位という成績で、打撃同様に可もなく不可もなくというレベルの成績でした。

防御率 完封 セーブ 失点 自責点 本塁打 与四球 奪三振 WHIP 被打率
4.31 0 16 275 251 70 217 526 1.31 0.239
7位 14位 7位 8位 8位 4位 10位 6位 8位 6位

個人投手成績も見ていきましょう。主な先発・救援投手は以下の通りです。(名前の横に(2)と表記している選手は、シーズン途中に移籍した選手で、成績は1年間通算・2チーム合計の成績です)

  名前 勝利数 先発試合数 イニング 防御率 WHIP
先発 バルデス 5 10 70.2 3.57 1.12
グレインキー 3 12 67.0 4.03 1.13
マッカラーズ 3 11 55.0 3.93 1.16
ハビアー 5 10 54.1 3.48 0.99
ビーラック 3 6 32.0 6.75 1.75
ウルキディー 1 5 29.2 2.73 1.01
  名前 セーブ 登板試合数 イニング 防御率 WHIP
救援 スクラブ 1 20 23.2 1.90 1.48
プレスリー 12 23 21.0 3.43 1.33
パレデス 0 22 20.2 3.05 1.40
テイラー 1 22 20.2 2.18 1.21
ラリー(2) 1 21 20.0 4.95 0.95
ジェームズ 0 13 17.1 7.27 1.85
スニード 0 18 17.1 5.71 1.85

先発は、バーランダーがケガで今シーズンは1試合しか投げていませんが、バルデス・グレインキー、マッカラーズ、ハビアーの先発4人は、安定した活躍をしました。ポストシーズンALCSまで勝ち進めたのは、先発陣が安定していたたからです。

 

また25歳のメキシコ出身のウルキディーは、レギュラーシーズンでは9月に5試合先発し、1勝しかしていませんが、ポストシーズンでは3試合も先発を任されました。来年以降期待の若手投手です。

バーランダーは37歳と引退の時期が近づく年齢になっていますが、来年は復活して欲しいです。

救援陣に課題があります。抑えのプレスリーは12セーブをあげましたが、WHIP1.33では抑えとしては若干安定感に欠けます。とは言え、対タンパベイ・レイズALCSでは、2セーブをあげ、抑えの役割を果たしました。

8月にラリーをシンシナティ・レッズから獲得し、移籍後17試合に投げ、WHIP0.75という成績で救援陣を助けました。ポストシーズンでは、先発のハビアーが救援にまわりました。ワイルドカードシリーズのツインズ戦で、ラリーとハビアーの2人が良いピッチングを見せました。

  • まとめ

課題はFAで2人が抜ける野手の補強と投手の救援陣でしょう。オフにしっかり補強されることを期待したいです。

次は、ア・リーグ西地区3位のシアトル・マリナーズです。