今回は、ア・リーグ中地区4位のカンザスシティ・ロイヤルズです。本拠地カウフマン・スタジアムのバックスクリーンが王冠の形をしているのが印象的です。
王様のいないアメリカ合衆国なのに、Royalsと王室を意味するようなチーム名になっているのが、なんとなく不思議です。(そんなことを思うのは、私だけかもしれませんが。)
-
2020年順位表
今年はア・リーグ中地区4位です。(黄色ハイライトは、プレーオフ進出チーム)
2015年にワールドシリーズを制覇してからプレーオフに進出していません。それ以前は、1985年にワールドシリーズを制覇してから、2014年にワイルドカードでポストシーズン進出、2015年にワールドシリーズ制覇をするまで、ポストシーズンと縁がなく、約30年間低迷していました。また同じように30年近く低迷期を続けるとすると、次の優勝は2045年になってしまいます。
-
野手成績
チーム打撃成績を見ていきましょう。得点・長打率・OPSが、ア・リーグ15チーム中10~13位と打撃は下位に位置する成績でした。盗塁2位というのが、このチームの特徴です。ただ盗塁の多さはチームの勝利に反映されないようです。今年ア・リーグで盗塁数が一番多いチームは、マリナーズで50個、2位がレンジャーズとロイヤルズで49個と、この3チームはポストシーズンに進出できていません。
打数 | 得点 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1988 | 248 | 485 | 68 | 237 | 49 | .244 | .309 | .402 | .711 |
- | 13位 | 6位 | 11位 | 13位 | 2位 | 8位 | 13位 | 10位 | 11位 |
主なスターティングラインナップは以下の通りです。
打順 | 名前 | 守備位置 | 打率 | 打点 | 本塁打 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | メリフィールド | 中 | .282 | 30 | 9 | .764 |
2 | ソレア | 指 | .228 | 24 | 8 | .768 |
3 | ペレス | 捕 | .333 | 32 | 11 | .986 |
4 | ドージャー | 右 | .228 | 12 | 6 | .736 |
5 | オハーン | 一 | .195 | 18 | 2 | .604 |
6 | モンデシー | 遊 | .256 | 22 | 6 | .710 |
7 | フランコ | 三 | .278 | 38 | 8 | .778 |
8 | ゴードン | 左 | .209 | 11 | 4 | .606 |
9 | ロペス | 二 | .201 | 13 | 1 | .552 |
チーム全体の打撃成績は芳しくありませんが、メリフィールド、フランコ、モンデシー、ロペス、ドージャーと、5人も規定打席に達した選手がいます。これはレギュラーに代わる控えがいないとも言え、控え選手層が薄いということを物語っています。
チームの特徴である、盗塁の多い選手から見ていくと、24個で盗塁王のモンデシー選手。元メジャーリーガーのラウル・モンデシーの息子です。父親譲りの足の速さです。
He's a freak. He's the fastest kid alive.#AlwaysRoyal pic.twitter.com/oKIXssAgSz
— Kansas City Royals (@Royals) 2020年9月28日
次に盗塁が多い選手が、12個でア・リーグ盗塁数2位のメリフィールド。この2人でチームの盗塁数の大半を占めています。
Whit's poppin'.
— Kansas City Royals (@Royals) 2020年9月12日
Leadoff rip just hopped in.#AlwaysRoyal pic.twitter.com/peIqK6OoLq
今年は、捕手のサルバドール・ペレスが戻ってきました。2019年はトミー・ジョン手術で1年間プレーできず、2020年はシーズン開幕前に新型コロナ陽性となりましたが、何とか開幕に間に合いました。8月に網膜症で故障者リスト入りしたため、規定打席数には足りませんでしたが、打率.333、OPS.986、本塁打11本という成績で、見事カムバック賞を受賞しました。
Minor setback. Major comeback.
— Kansas City Royals (@Royals) 2020年12月10日
Congratulations Salvy, you earned it. pic.twitter.com/qXSjJTx6Xx
.@SalvadorPerez15 has a nice little OPS of 1.416 since returning from the Injured List.#CarryTheFreight // @ODFL_Inc pic.twitter.com/KcT1zymNip
— Kansas City Royals (@Royals) 2020年9月24日
ペレスは、シルバースラッガー賞も獲得しました。
A golden smile and a silver bat.
— Kansas City Royals (@Royals) 2020年11月5日
Congrats on your third #SilverSlugger Award, Salvy! pic.twitter.com/vIesPYnd3N
最後に紹介するのは、今年シーズン限りで引退したアレックス・ゴードンです。14年のメジャーリーグのキャリアをロイヤルズ一筋で貫き、最終年の今年は、4年連続8度目のゴールドグラブ賞を獲得し、有終の美を飾りました。
After 14 years of hard work and dedication to the #Royals, Alex Gordon is retiring from baseball.
— Kansas City Royals (@Royals) 2020年9月24日
Thank you for always giving it your all, Gordo.#4EverRoyal pic.twitter.com/S5A0Y7ASFq
You glove to see it.
— Kansas City Royals (@Royals) 2020年11月4日
That's Gordo's EIGHTH @RawlingsSports #GoldGlove Award, tied for the most in team history. pic.twitter.com/Rnksvf0WIf
-
投手成績
投手成績は防御率・失点・自責点は、ア・リーグで6・7位と中位に位置していますが、WHIP・被打率がナ・リーグで10~12位と下位の成績です。打たれながらも、何とかしのいだ試合が多かったのだと思います。
防御率 | 完封 | セーブ | 失点 | 自責点 | 被本塁打 | 与四球 | 奪三振 | WHIP | 被打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4.30 | 4 | 19 | 272 | 247 | 76 | 211 | 517 | 1.38 | 0.254 |
6位 | 4位 | 3位 | 7位 | 7位 | 7位 | 9位 | 10位 | 10位 | 12位 |
個人投手成績も見ていきましょう。主な先発・救援投手は以下の通りです。
名前 | 勝利数 | 先発試合数 | イニング | 防御率 | WHIP | |
---|---|---|---|---|---|---|
先発 | シンガー | 4 | 12 | 64.1 | 4.06 | 1.17 |
ダフィー | 4 | 11 | 56.1 | 4.95 | 1.33 | |
ケラー | 5 | 9 | 54.2 | 2.47 | 1.02 | |
ブビック | 1 | 10 | 50.0 | 4.32 | 1.48 | |
ジュニス | 0 | 6 | 25.1 | 6.39 | 1.62 |
名前 | セーブ | 登板試合数 | イニング | 防御率 | WHIP | |
---|---|---|---|---|---|---|
救援 | バーロウ | 2 | 32 | 30.0 | 4.20 | 1.20 |
ホランド | 6 | 28 | 28.1 | 1.91 | 0.95 | |
ストゥーモント | 0 | 26 | 25.2 | 2.45 | 1.40 | |
ジマー | 0 | 16 | 23.0 | 1.57 | 1.04 | |
ニューベリー | 1 | 20 | 22.0 | 4.09 | 1.45 | |
ズーバー | 0 | 23 | 22.0 | 4.09 | 1.59 | |
ハン | 3 | 18 | 17.1 | 0.52 | 0.69 |
先発は、シンガー、ダフィー、ケラーの3本柱が安定していました。シンガーはドラフト1巡目で獲得して、今年期待通りの活躍をしました。短縮シーズンでなければ二桁勝利して、新人王候補になっていたかもしれないようなピッチングでした。
Shut down Motown.#GotYourBack pic.twitter.com/cJulGNrHse
— Kansas City Royals (@Royals) 2020年9月17日
ロイヤルズ一筋、ベテランのダフィーも健在です。
"My name's Duff, because it sounds like tough. And that's just what I am."#AlwaysRoyal pic.twitter.com/1RrnNxa9Py
— Kansas City Royals (@Royals) 2020年9月10日
ケラーも2018年から先発ローテーションに定着しました。まだ25歳なので、更なる成長も期待できます。
Stellar end to a stellar campaign for @brad_keller13.
— Kansas City Royals (@Royals) 2020年9月26日
6.0 IP
4 H
0 R
0 BB
5 Ks#AlwaysRoyal pic.twitter.com/vSKg6Y4F38
先発はコマが揃った感じがします。救援陣では、かつての抑えのエース、グレッグ・ホランドが2020年からロイヤルズに戻ってきました。ロイヤルズを出てからは、あまり良い投球ができていない印象でしたが、2020年は防御率1.91、WHIP0.95、6セーブと、抑えの役割を果たしました。ロイヤルズというチームが合うのだと思います。シーズン終了後FAになりましたが2021年もロイヤルズと契約しました。両者にとって賢い選択だと思います。
Guess who's back, back again.
— Kansas City Royals (@Royals) 2020年12月14日
Greg’s back, tell a friend. pic.twitter.com/V1hAuGbcfG
-
まとめ
課題は打線に迫力がないことです。2015年に優勝した年は、ケイン・ホズマ―・ムスターカス・モラレス・ペレスと迫力のある打線でした。この中で残っているのはペレスだけです。チーム再建には長打力のある選手が必要ですが、簡単にはいかない課題だと思います。
次は、ア・リーグ中地区5位のデトロイト・タイガースです。