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メジャーリーグ全30チームを網羅するように、メジャーリーグ移籍情報・順位予想・成績などをできるだけ公平な目線で書いています。

シンシナティ レッズ 2020年レビュー

今回は、ナ・リーグ中地区3位のシンシナティ・レッズです。

今年は元西武ライオンズ秋山翔吾が入団しました。それまでMLBで唯一日本人選手がプレーしていなかったのがレッズでした。だからなんとなく見る機会が少なかったのかも知れません。

  • 2020年順位表

今年は中地区3位でしたが、2013年以来7年ぶりにプレーオフに進出しました。(黄色ハイライトは、プレーオフ進出チーム)

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2020年 ナ・リーグ順位表

得失点差が0で、31勝29敗と2つの勝ち越しという結果でした。各リーグから8チームがプレーオフに進出できる特別ルールでしたので進出できましたが、例年通り5チームでしたら、プレーオフには出場できていない成績です。

  • 野手成績

チーム打撃成績を見ていきましょう。長打率OPSが、ナ・リーグ15チーム中9位で、得点は13位と打撃は低迷しました。打率・安打数は最下位ですから、長打は打ったけれども、確実な打撃がチームとしてできませんでした。

打数 得点 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 出塁率 長打率 OPS
1842 243 390 90 237 29 .212 .312 .403 .715
- 13位 15位 4位 13位 6位 15位 13位 9位 9位

個人打撃成績です。主なスターティングラインナップは以下の通りです。(名前の横に(2)と表記している選手は、シーズン途中に移籍した選手で、成績は1年間通算・2チーム合計の成績です)

打順 名前 守備位置 打率 打点 本塁打 OPS
1 秋山 .245 9 0 .654
2 カステヤーノス .225 34 14 .784
3 ボット .226 22 11 .800
4 スアレス .202 38 15 .781
5 ムスターカス .230 27 8 .799
6 ウィンカー .255 23 12 .932
7 グッドウィン(2) .215 22 6 .715
8 ガルビス .220 16 7 .712
9 バーンハート .204 13 5 .679

規定打席に到達したのは、カステヤーノス、ボット、スアレスの3人ですが、3人とも打率が2割前半です。もっと高い打率を残す能力のある選手たちですが、今年は60試合と短く、調子が出る前にシーズンが終了してしまったのかもしれません。特にボットは常に3割を打ち出塁率の高い選手でしたが、今年37歳ですので、年齢的に衰えた可能性があります。ただ3人ともホームランを二桁打ち、長打力があるところを見せました。

秋山は規定打席数に3打席足りませんでした。今年は前半メジャーリーグの投球に苦労していましたが、9月に調子を上げてきました。9月の成績だけをみると、打率.317/ 出塁率456/ 長打率.365/ OPS.821と、西武ライオンズでプレーしていた頃に引けを取らない成績でした。来年が楽しみです。

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守備では、キャッチャーのバーンハートが、2017年に続き2回目のゴールドグラブ賞を獲得しました。

 秋山はゴールドグラブ賞のファイナリストには残りましたが、残念ながら受賞にはいたりませんでした。印象に残る好プレーを見せてくれたので、来年に期待です。

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  • 投手成績

投手成績は防御率自責点・WHIP・被打率がナ・リーグで2~3位と好成績でした。今年は投手力プレーオフ進出を果たしました。

防御率 完封 セーブ 失点 自責点 本塁打 与四球 奪三振 WHIP 被打率
3.84 5 9 243 215 67 213 615 1.22 0.215
2位 4位 14位 5位 3位 2位 9位 1位 3位 2位

個人投手成績も見ていきましょう。主な先発・救援投手は以下の通りです。(名前の横に(2)と表記している選手は、シーズン途中に移籍した選手で、成績は1年間通算・2チーム合計の成績です)

  名前 勝利数 先発試合数 イニング 防御率 WHIP
先発 バウアー 5 11 73.0 1.73 0.79
カスティー 4 12 70.0 3.21 1.23
グレイ 5 11 56.0 3.70 1.21
マーリー 2 9 47.2 3.59 1.15
デスクラファニー 1 7 33.2 7.22 1.69
  名前 セーブ 登板試合数 イニング 防御率 WHIP
救援 アントン 0 13 35.1 2.80 1.02
ローレンゼン 0 18 33.2 4.28 1.40
シムズ 0 20 25.2 2.45 0.94
イグレシアス 8 22 23.0 2.74 0.91
ジョーンズ 0 21 18.2 6.27 1.66
ブラッドリー(2) 6 16 18.1 2.95 1.09
ギャレット 1 21 18.1 2.45 0.93

サイ・ヤング賞を受賞したバウアーが、今年は素晴らしかったです。ポストシーズンワイルドカードシリーズ第1戦で、先発のバウアーは、8回途中無失点12奪三振と快投を見せました。打線が沈黙し延長戦の末0対1で敗れますが、「12奪三振以上&無四球&無失点」はポストシーズン市場初めての記録でした。

 カスティーヨ、グレイ、マーリーの先発陣も、防御率3点台と安定したピッチングでした。

また、救援陣の多くは、投球イニングあたり1を超える三振を奪う剛腕が揃っており、特に抑えのイグレシアスは、23イニング投げて31奪三振と、高い奪三振率で、8セーブを挙げました。

  • まとめ

ナ・リーグ中地区を1位~3位までみてきましたが、どのチームも投手力が高く、打撃力が低迷しています。ア・リーグの中地区も前田健太のいるミネソタ・ツインズや、今年のサイ・ヤング賞投手シェーン・ビーバーのいるクリーブランド・インディアンスなども投手力の高いチームでした。今年は特別ルールで、ア・リーグ中地区とナ・リーグ中地区のチームとしか対戦がなく、投手力の高いチームとばかり対戦するため、打撃成績が上がらなかったという側面があると思われます。来年通常通りの対戦組み合わせに戻れば、自然と打撃成績が上がるかもしれません。

 

 次は、ナ・リーグ中地区4位のミルウォーキー・ブリュワーズです。