メジャーリーグ ファン ブログ

メジャーリーグ全30チームを網羅するように、メジャーリーグ移籍情報・順位予想・成績などをできるだけ公平な目線で書いています。

ピッツバーグ パイレーツ 2020年レビュー

今回は、ナ・リーグ中地区5位のピッツバーグ・パイレーツです。本拠地のPNCパークは非常に美しい球場で、私の最も好きなMLBの球場です。外野後方のアレゲニー川に黄色いロベルト・クレメンテ橋が架かっていて、その後方に古風なビルと近代的なビルが混在して立ち並ぶピッツバーグの美しいダウンタウンが見えます。橋の色はチームカラーの黄色にし、橋の名称には3,000本安打を打ちニカラグア地震の救援に向かう飛行機墜落事故で悲運の死に直面したパイレーツの英雄ロベルト・クレメンテの名前が付けられていて、地域一体となってパイレーツを応援している感じがします。

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  • 2020年順位表

今年は中地区5位で、失点が得点を79点も上回り、41敗はナ・リーグトップです。パイレーツには1993~2012年の20年間連続で負け越しをした暗黒の時代がありました。その後、主力打者マカッチェン・エースのコールと投打の主力が活躍し、2013~15年は3年連続ワイルドカードプレーオフに出場するなど力を付けました。しかし地区優勝はできず、最近はプレーオフと縁がなく、マカッチェンもコールもチームを去り、投打ともに突出した選手がいなくなってしまったので、近年のパイレーツは暗黒時代へ逆戻りの様相です。

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2020年 ナ・リーグ順位表
  • 野手成績

チーム打撃成績を見ていきましょう。得点・長打率OPSが、ナ・リーグ15チーム中最下位と今年のナ・リーグ中地区は打撃の振るわないチームばかりでしたが、中でもパイレーツは最も得点能力のない打線でした。最下位も当然の結果です。

打数 得点 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 出塁率 長打率 OPS
1932 219 425 59 210 16 .220 .284 .357 .641
- 15位 12位 13位 15位 14位 14位 15位 15位 15位

主なスターティングラインナップは以下の通りです。

打順 名前 守備位置 打率 打点 本塁打 OPS
1 フレイジャー .230 23 7 .661
2 ニューマン .224 10 1 .556
3 ベル .226 22 8 .669
4 モラン .247 23 10 .797
5 レイノルズ .189 19 7 .632
6 ポランコ .153 22 7 .539
7 ゴンザレス .227 20 3 .614
8 タッカー .220 8 1 .527
9 スタリングス .248 18 3 .702

規定打席数に達した野手は、フレイジャー、ベル、モラン、レイノルズ、ゴンザレスの5人もいますが、モラン以外はOPSが.700未満、打率も2割台前半です。それでも規定打席に到達するのですから、代わりに出場させる選手がいないほど選手層が薄いのでしょう。モランだけが二桁ホームランを打ちました。

 守備では、セカンドのフレイジャーがエラー1個という堅実な守備でしたが、ゴールドグラブ賞は残念ながら獲得できませんでした。

  • 投手成績

投手成績は防御率・失点・自責点・WHIPがナ・リーグで8~10位と下位に位置し、投手成績も振るいませんでした。

防御率 完封 セーブ 失点 自責点 本塁打 与四球 奪三振 WHIP 被打率
4.68 3 6 298 267 80 249 536 1.36 0.235
9位 9位 15位 10位 8位 9位 15位 5位 9位 7位

個人投手成績も見ていきましょう。主な先発・救援投手は以下の通りです。

  名前 勝利数 先発試合数 イニング 防御率 WHIP
先発 ウィリアムズ 2 11 55.1 6.18 1.57
ブルベイカー 1 9 47.1 4.94 1.37
クール 2 9 46.1 4.27 1.36
ブロート 1 10 42.2 3.38 1.20
マスグローブ 1 8 39.2 3.86 1.24
  名前 セーブ 登板試合数 イニング 防御率 WHIP
救援 ホランド 0 12 40.2 6.86 1.40
ストラットン 0 27 30.0 3.90 1.30
ロドリゲス 4 24 23.1 2.70 0.86
ハートリーブ 0 21 22.1 3.63 1.57
ターリー 1 25 21.2 4.98 1.11
ハワード 0 22 21.0 3.86 1.24
ネヴェラウスカス 0 17 19.0 7.11 1.79

先発は、1人も規定投球回数に達せず、2勝が先発の中では最多勝です。マスグローブは今年はケガで離脱した期間がありましたが、最終登板のようなピッチングができれば、来年は重要な戦力となるでしょう。このチームには信頼できるエースが一人欲しいです。

救援陣は、フェリペ・バスケスが2017年から安定した抑えとして活躍していたのですが、2019年9月に性犯罪で逮捕されたので、もう復活はないでしょう。代わりにロドリゲスが抑えに定着しました。2018年から中継ぎで活躍し、今年はチームが弱くセーブ数が増えませんでしたが、3勝はチーム最多勝で、防御率2.70、WHIP0.86は立派です。

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  • まとめ

投打ともにパッとしないですが、希望の星が出現しました。2015年ドラフト1位のケブライアン・ヘイズが、9月にメジャーに初昇格してから1ヶ月間で、本塁打5本、打率.376/長打率.682/ OPS1.124と大活躍しました。まだ23歳と若く、パイレーツの中心打者となる可能性が高い、楽しみな若手が登場しました。

次は、ナ・リーグ東地区1位のアトランタ・ブレーブスです。