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メジャーリーグ全30チームを網羅するように、メジャーリーグ移籍情報・順位予想・成績などをできるだけ公平な目線で書いています。

マイアミ・マーリンズ 2020年レビュー

今回は、ナ・リーグ東地区2位のマイアミ・マーリンズです。今年シーズン終了後にMLB初の女性GM就任が話題になりました。

  • 2020年順位表

今年はナ・リーグ東地区2位で、プレーオフに進出しました。(黄色ハイライトは、プレーオフ進出チーム)

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2020年 ナ・リーグ順位表

失点の方が得点より41点も多いのに2勝も勝ち越ししているのは、接戦を多く勝っていることを物語っています。開幕前にマイアミ・マーリンズプレーオフに進出すると予想した人はほとんどいなかったと思います。プレーオフ進出はドン・マティングリー監督の手腕と言えるでしょう。最優秀監督賞(NL Manager of the year)受賞も納得です。

  • 野手成績

チーム打撃成績を見ていきましょう。得点・長打率OPSが、ナ・リーグ15チーム中11~13位と打撃は低迷しました。チームの走力が高く盗塁は2位です。盗塁を10個以上した選手はいなかったのですが、満遍なく多くの選手が盗塁していたのと、2016年の盗塁王・ビラーが、ブルージェイズに移籍する8月まで在籍していたことが要因です。打撃力不足を足で補おうとした努力が感じられる結果です。

打数 得点 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 出塁率 長打率 OPS
1935 263 472 60 247 51 .244 .319 .384 .703
- 11位 10位 12位 11位 2位 9位 9位 13位 12位

 主なスターティングラインナップは以下の通りです。(名前の横に(2)と表記している選手は、シーズン途中に移籍した選手で、成績は1年間通算・2チーム合計の成績です)

打順 名前 守備位置 打率 打点 本塁打 OPS
1 ディッカーソン .258 17 7 .713
2 マルテ(2) .281 27 6 770
3 アギラル .277 34 8 .809
4 アンダーソン .255 38 11 .810
5 クーパー .283 20 6 .853
6 ジョイス .252 14 2 .682
7 ロハス .304 20 4 .888
8 アルファ―ロ .226 16 3 .624
9 バーティ .258 14 2 .738

シーズン途中にマルテが移籍してきましたが、ラインナップを見てもチーム全体の迫力不足は否めません。マルテは移籍初日の9月1日に、ブルージェイズの山口投手から勝ち越しホームランを打って、チームを勝利に導きました。このようにチームのプレーオフ進出には貢献しました。

印象に残っているのは、8月25日のメッツ戦で、バーティが四球で出塁すると、二盗、三盗、本盗を決め、ノーヒットで1点をもぎ取った試合です。ダブルヘッダーだったので出場していたメッツの捕手が経験の浅い控えの捕手だったこともありますが、バッテリーのスキをついた攻撃で、この攻撃には今年のマーリンズらしさが現れていました。

  • 投手成績

投手成績は防御率・失点・自責点・WHIPがナ・リーグで12位と下位に位置しました。セーブ数は1位は、多くの接戦をものにしたことを物語っています。

防御率 完封 セーブ 失点 自責点 本塁打 与四球 奪三振 WHIP 被打率
4.86 6 18 304 272 82 226 451 1.45 0.261
11位 3位 1位 12位 10位 12位 13位 14位 12位 12位

 個人投手成績も見ていきましょう。主な先発・救援投手は以下の通りです。(名前の横に(2)と表記している選手は、シーズン途中に移籍した選手で、成績は1年間通算・2チーム合計の成績です)

  名前 勝利数 先発試合数 イニング 防御率 WHIP
先発 ロペス 6 11 57.1 3.61 1.19
アルカンタラ 3 7 42.0 3.00 1.19
サンチェス 3 7 39.0 3.46 1.21
カスタノ 1 6 29.2 3.03 1.38
ロジャース 1 7 28.0 6.11 1.61
ヘルナンデス 1 6 25.2 3.16 1.01
  名前 セーブ 登板試合数 イニング 防御率 WHIP
救援 スミス 1 16 26.1 6.84 1.67
キンツラー 12 24 24.1 2.22 1.32
ビンセント 3 21 22.1 4.43 1.30
ボックスバーガー 0 23 18.0 3.00 1.39
ブレイアー(2) 0 21 16.2 2.16 1.08
ガルシア 1 14 15.0 0.60 0.93
ホイト 0 24 14.2 1.23 1.16

先発は、シーズンを通してローテーションを守っていたのはロペス1人で、今年は13人が先発を務めたようにマッティングリー監督が上手く選手を使っていました。プレーオフワイルドカードシリーズで、シカゴ・カブスダルビッシュと投げ合ったサンチェスは、8月下旬に初めてMLBで先発した新人投手ですが、見事にカブス打線を抑えてチームは勝利しNLDSに勝ち進みました。マッティングリー監督の選手を見極める能力の高さがチームを勝利に導いたのだと思います。

 救援陣は、キンツラー、ビンセント、ボックスバーガー、ブレイアーといった、経験値のある30代の投手を集めて上手くやりくりをしました。フロントの目利きと監督の采配のどちらも上手くいった好例です。

  • まとめ

コロナ感染者が発生し、マーリンズは延期される試合が多く、ダブルヘッダーが多かったのですが、マッティングリー監督が上手く選手のやりくりをしました。打撃も投手もナ・リーグ下位の成績ながら、盗塁は2位、セーブ数は1位と、特徴のある戦い方をして戦力不足を補い、プレーオフに進出を果たした年でした。来年は就任したMLB初の女性GMアングが、どのようなチーム作りをするのか楽しみです。

次は、ナ・リーグ東地区3位のフィラデルフィア・フィリーズです。