今回は、ナ・リーグ東地区2位のマイアミ・マーリンズです。今年シーズン終了後にMLB初の女性GM就任が話題になりました。
Making history by bringing a lifetime of excellence, Kim Ng steps to the helm as GM. #JuntosMiami pic.twitter.com/UrYESbjTHe
— Miami Marlins (@Marlins) 2020年11月13日
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2020年順位表
今年はナ・リーグ東地区2位で、プレーオフに進出しました。(黄色ハイライトは、プレーオフ進出チーム)
失点の方が得点より41点も多いのに2勝も勝ち越ししているのは、接戦を多く勝っていることを物語っています。開幕前にマイアミ・マーリンズがプレーオフに進出すると予想した人はほとんどいなかったと思います。プレーオフ進出はドン・マティングリー監督の手腕と言えるでしょう。最優秀監督賞(NL Manager of the year)受賞も納得です。
DONNIE BASEBALL: MOTY.
— Miami Marlins (@Marlins) 2020年11月10日
So illustrius, they named the WHOLE sport after him. pic.twitter.com/PQXYNIgVix
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野手成績
チーム打撃成績を見ていきましょう。得点・長打率・OPSが、ナ・リーグ15チーム中11~13位と打撃は低迷しました。チームの走力が高く盗塁は2位です。盗塁を10個以上した選手はいなかったのですが、満遍なく多くの選手が盗塁していたのと、2016年の盗塁王・ビラーが、ブルージェイズに移籍する8月まで在籍していたことが要因です。打撃力不足を足で補おうとした努力が感じられる結果です。
打数 | 得点 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1935 | 263 | 472 | 60 | 247 | 51 | .244 | .319 | .384 | .703 |
- | 11位 | 10位 | 12位 | 11位 | 2位 | 9位 | 9位 | 13位 | 12位 |
主なスターティングラインナップは以下の通りです。(名前の横に(2)と表記している選手は、シーズン途中に移籍した選手で、成績は1年間通算・2チーム合計の成績です)
打順 | 名前 | 守備位置 | 打率 | 打点 | 本塁打 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ディッカーソン | 左 | .258 | 17 | 7 | .713 |
2 | マルテ(2) | 中 | .281 | 27 | 6 | 770 |
3 | アギラル | 一 | .277 | 34 | 8 | .809 |
4 | アンダーソン | 三 | .255 | 38 | 11 | .810 |
5 | クーパー | 指 | .283 | 20 | 6 | .853 |
6 | ジョイス | 右 | .252 | 14 | 2 | .682 |
7 | ロハス | 遊 | .304 | 20 | 4 | .888 |
8 | アルファ―ロ | 捕 | .226 | 16 | 3 | .624 |
9 | バーティ | 二 | .258 | 14 | 2 | .738 |
シーズン途中にマルテが移籍してきましたが、ラインナップを見てもチーム全体の迫力不足は否めません。マルテは移籍初日の9月1日に、ブルージェイズの山口投手から勝ち越しホームランを打って、チームを勝利に導きました。このようにチームのプレーオフ進出には貢献しました。
Bottom 8? Tie ballgame?
— Miami Marlins (@Marlins) 2020年9月2日
STARLING TO THE MOON. #JuntosMiami pic.twitter.com/Vw3xgtx7Sg
印象に残っているのは、8月25日のメッツ戦で、バーティが四球で出塁すると、二盗、三盗、本盗を決め、ノーヒットで1点をもぎ取った試合です。ダブルヘッダーだったので出場していたメッツの捕手が経験の浅い控えの捕手だったこともありますが、バッテリーのスキをついた攻撃で、この攻撃には今年のマーリンズらしさが現れていました。
THE GRUDGE,,, but make her the perfect homebase-stealing machine. pic.twitter.com/Dw6cwQE5eG
— Miami Marlins (@Marlins) 2020年8月26日
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投手成績
投手成績は防御率・失点・自責点・WHIPがナ・リーグで12位と下位に位置しました。セーブ数は1位は、多くの接戦をものにしたことを物語っています。
防御率 | 完封 | セーブ | 失点 | 自責点 | 被本塁打 | 与四球 | 奪三振 | WHIP | 被打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4.86 | 6 | 18 | 304 | 272 | 82 | 226 | 451 | 1.45 | 0.261 |
11位 | 3位 | 1位 | 12位 | 10位 | 12位 | 13位 | 14位 | 12位 | 12位 |
個人投手成績も見ていきましょう。主な先発・救援投手は以下の通りです。(名前の横に(2)と表記している選手は、シーズン途中に移籍した選手で、成績は1年間通算・2チーム合計の成績です)
名前 | 勝利数 | 先発試合数 | イニング | 防御率 | WHIP | |
---|---|---|---|---|---|---|
先発 | ロペス | 6 | 11 | 57.1 | 3.61 | 1.19 |
アルカンタラ | 3 | 7 | 42.0 | 3.00 | 1.19 | |
サンチェス | 3 | 7 | 39.0 | 3.46 | 1.21 | |
カスタノ | 1 | 6 | 29.2 | 3.03 | 1.38 | |
ロジャース | 1 | 7 | 28.0 | 6.11 | 1.61 | |
ヘルナンデス | 1 | 6 | 25.2 | 3.16 | 1.01 |
名前 | セーブ | 登板試合数 | イニング | 防御率 | WHIP | |
---|---|---|---|---|---|---|
救援 | スミス | 1 | 16 | 26.1 | 6.84 | 1.67 |
キンツラー | 12 | 24 | 24.1 | 2.22 | 1.32 | |
ビンセント | 3 | 21 | 22.1 | 4.43 | 1.30 | |
ボックスバーガー | 0 | 23 | 18.0 | 3.00 | 1.39 | |
ブレイアー(2) | 0 | 21 | 16.2 | 2.16 | 1.08 | |
ガルシア | 1 | 14 | 15.0 | 0.60 | 0.93 | |
ホイト | 0 | 24 | 14.2 | 1.23 | 1.16 |
先発は、シーズンを通してローテーションを守っていたのはロペス1人で、今年は13人が先発を務めたようにマッティングリー監督が上手く選手を使っていました。プレーオフのワイルドカードシリーズで、シカゴ・カブスのダルビッシュと投げ合ったサンチェスは、8月下旬に初めてMLBで先発した新人投手ですが、見事にカブス打線を抑えてチームは勝利しNLDSに勝ち進みました。マッティングリー監督の選手を見極める能力の高さがチームを勝利に導いたのだと思います。
Sixto Sánchez carved in his @MLB debut 40 days ago.
— Miami Marlins (@Marlins) 2020年10月2日
Here's the filth to launch his #Postseason debut. pic.twitter.com/oDqMOt44TE
救援陣は、キンツラー、ビンセント、ボックスバーガー、ブレイアーといった、経験値のある30代の投手を集めて上手くやりくりをしました。フロントの目利きと監督の采配のどちらも上手くいった好例です。
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まとめ
コロナ感染者が発生し、マーリンズは延期される試合が多く、ダブルヘッダーが多かったのですが、マッティングリー監督が上手く選手のやりくりをしました。打撃も投手もナ・リーグ下位の成績ながら、盗塁は2位、セーブ数は1位と、特徴のある戦い方をして戦力不足を補い、プレーオフに進出を果たした年でした。来年は就任したMLB初の女性GMアングが、どのようなチーム作りをするのか楽しみです。
次は、ナ・リーグ東地区3位のフィラデルフィア・フィリーズです。